問題はあなたの遺伝子ではなく、あなたのいる環境です - 『遺伝子の不都合な真実 安藤寿康著』
この本を読みました。
遺伝子の不都合な真実―すべての能力は遺伝である (ちくま新書)
遺伝子の不都合な真実。
それは、「人間の能力や性格などあらゆる側面が遺伝子の影響である。」ということです。
でも、この本を読んで目からウロコだったのが、環境こそが遺伝子に対して制約を与えて自由を阻んでいるということです。
環境が遺伝子に対して制約を与え自由を阻んでいる
例えば、ある優れた芸術的才能のある女性がいたとします。
その人は、いつも様々なアイデアが思いつきます。でも、いったんそのアイデアが思いついたら、他の事を全て忘れて、そこに向かって突き進んでしまうところがあります。
その人は何故か会社の、しかも秘書として働いています。
秘書というのは日々の役員のスケジュールをすべて管理し、様々な事に気を配らなくてはなりません。でも彼女はすぐに色々なアイデアが頭に浮かんでしまい、目の前のタスクを忘れてしまって役員のスケジュール管理ができません。 そのため会社ではすっかり無能扱いです。
問題はある遺伝的な行動特徴を「頭が悪い」とみなすこと
彼女は、果たして「頭が悪い」のでしょうか?
そうではありません、彼女は「秘書」としては有能では無いかもしれません。でも、他のクリエイティブな能力を発揮できる環境で働いた場合は、むしろその想像力を存分に発揮出来る可能性が十分にあるのです。
つまり、彼女の問題は、「自分の遺伝子に合わない秘書として働いていること」なのです。
不自由さの原因は、遺伝子にとって不都合な環境にある
このように、自分の遺伝子に合わない環境にいる事で、「自分は頭が悪い」と思っている人が世の中には沢山いるのでは無いでしょうか。
もし、自分が「この会社で自分は力を発揮できていない」と思っている場合は、思い切って自分により適した仕事に転職するか、出来ない場合でも何か別の分野で自分の能力を発揮できないか模索してみるのも良いと思います。
最後に
遺伝子の不都合な真実―すべての能力は遺伝である (ちくま新書)
- 作者: 安藤寿康
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/07
- メディア: 新書
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