ちょっと覚悟は必要だけどありがたい香港の公立病院
ちょうど子供が公立病院に入院していたので、香港の公立病院について書こうと思います。
香港は自由診療
香港は自由診療なので、かかる病院によって治療費が大幅に異なります。
例えば風邪で受診した場合でも、香港人が行くクリニックだと3000円くらいで済みますが、日本人が行くところだと2万円くらいかかるといった感じです。
もちろん加入している海外旅行保険で全額カバーするので、2万円かかっていてもあまり気にしない日本人も多いと思いますが。
公立病院の医療レベルはかなり高い
その中で、高度な医療を安価で受けられるのが、「公立病院」です。
外来であったら、香港の住民であれば100ドルのみ(約1400円)の支払いで済みます。レントゲンなどの特殊な検査をしていても余計にかかりません。
今回は一泊二日の入院で50ドル(約700円)のみでした。受付の時に支払った金額100ドルと合計しても150ドル(約2,100円)。これはもちろん香港の住民だからの金額なので、日本から来た観光客が旅行中に倒れて運ばれた場合は同じサービスで6万円くらいかかるそうです。
今回子供の入院した病院には、このような建物もあります。
これは「隔離病棟」です。
香港では過去にSARSの大流行がありました。現在は鳥インフルエンザ、最近ではエボラ出血熱など、他人への感染があると深刻になる病気の疑いがかかると、ここに運ばれます。
このような施設は公立病院にしかありません。
医療以外の部分があまり良くない
公立病院は、このように医療に関しては問題無いのですが、それ以外に関してはある程度の覚悟が必要になります。
外来の場合は、最初にトリアージが行われるのですが、緊急度によって3〜4時間待つことは覚悟しないといけません。
また、今回私は小児病棟にいましたが、付き添いのためのものがこの小さな椅子ひとつだけでした。
子供は1人では寝られないので付き添ってあげたいものの、この椅子だけでは到底寝られません。
また、部屋も大部屋だったのですが、うちの子供は大きな症状が無かったため、入口の通路のところでした。
そのため、他の子供からの感染のリスクは少ないといいつつも、いつも人の出入りがあって落ち着きませんでした。
ただ、医師、看護士をはじめとしたスタッフは皆キビキビと働いていて、こちらから質問したことに関してはきちんと対応してくれたので、その部分はまったく問題ありませんでした。
公立病院だと出産費用が3,000円以内?
公立病院のことを調べていたら、こんな記事を見つけました。
公立・私立病院でこんなに違う!香港の出産事情 | 世界の子育て事情 | 日経DUAL
私立病院で出産すると、50,000ドル〜100,000ドル(平均で100万円くらい)かかる出産費用が、公立だとなんと150ドル(約2,100円)で済みます。
その差なんと480倍です。
日本の駐在員の奥様も、慣れている2人目だと公立で出産しているケースが多いです。
というのも、出産の時の健保の一時金は同じように払われるため、その費用を子育て費用に充てられるからです。
ただ、この記事にもありましたが、公立病院の検査は最低限のみで不安もあるため、妊婦健診だけ私立の病院で行って、出産は公立で行なう人もいるようです。
最後に
先週胃腸の症状で子供を公立病院に連れて行きました。
その時たまたま子供が足を怪我していてその傷口が大きくてしかも深かったため、診察の後に別室で傷の処置をしてもらいました。
もちろんこの手当に追加料金はかかりませんでした。
その時に、「あと2〜3回来た方が良い」とアドバイスをもらい、怪我の処置(dressing)で病院に通いました。この費用は1回あたり17ドル(200円)でした。 近所のクリニックだとここまでのサービスは出来ません。
色々問題もありますが、私にとって公立病院はとてもありがたい場所だと思います。